東洋医学の視点から春のカラダの不調を考える。
4月に入り暖かい気候になりました。
この時期になるとなんとなく身体がだるい、食欲が落ちる、不眠、イライラするなど体の不調を訴える人が多くなります。
春夏秋冬の四季によって人間の身体は季節ごとに適用しようと変化する際の反応としてこれらの不調が出やすくなります。
今日は、そんな季節の変化による体の不調への対策について東洋医学の視点からお話しましょう。
目次
- ○ 東洋医学の健康思想「五行説」とは?
- ○ 春は「肝」が疲れやすい
- ・旬の野菜や苦味による食養生
- ○ 春は、「肝」を労わる季節
- ・首・肩・肩甲骨まわりをほぐす
- ・四十肩・五十肩に注意!!
- ○ 春は「動」への切替スイッチをオン!
- ・健康効果を高めるウォーキング
- ○ 最後に
東洋医学の健康思想「五行説」とは?
五行説の基本となるのは、五臓六腑と言われるものが身体の中にありそれらが互いに影響しあい生命維持されているという考え方です。
「五行」とは、木(肝)・火(心)・土(脾)・金(肺)・水(腎)という自然界に通じる考え方でお互いに助け合い、ときには抑制しながらバランスをとっています。五行は、季節にも当てはめる事もでき季節の変化に応じより良い生活ができるよう五行の視点から不調をその対策について考えてみましょう。
補足
木(春)の同属性:肝、怒、酸味、筋、目など
火(夏)の同属性:心、喜、苦味、血脈、舌など
土(土用)の同属性:脾、思、甘味、肌肉、口など
金(秋)の同属性:肺、悲、辛味、皮毛、鼻など
水(冬)の同属性:腎、恐、鹹(塩からい)、骨、耳など
春は「肝」が疲れやすい
・春に関わる体調不良は「肝」が重要!
季節の変化に合わせ人の身体も変化します。ここで重要になるのが「肝」。
冬の間に身体に溜った老廃物を排出し春に新しい目を出すためのエネルギーを蓄えるとても大切の臓器です。
・春は、自律神経を整え冷え対策を!
「肝(木)」がうまく機能しないと5月病など「春バテ」と言われるやる気が起きない状態になります。
そして、「肝(木)」の機能は「心(火)」に影響をあたえるため春に肝がうまく働かない状態が続くと、夏に「心(火)」の働きが弱くなり夏になっても「冷え」を感じる事になります。
・同属性に「怒り」イライラの季節
春は天候の移り変わり、寒暖差、新生活などの大きな変化など体にストレスを与え自律神経を乱します。
すると、怒り(肝・木の同属性)の感情が表面化しイライラしやすくなります。
旬の野菜や苦味による食養生
東洋医学には「人間も自然の一員であり、自然界の法則は人間にも当てはまる」という考え方があります。
自然界が生み出す旬の野菜は、その季節の健康に役立つものとされています。
また、春野菜などの旬の食材には厳しい冬を乗り越え、春に成長するための栄養素が蓄えられています。
春野菜に中には「苦味の成分」植物性アルカノイドが多く含まれ、腎臓の機能や老廃物を助けると言われています。
東洋医学の五行説によれば、苦味は夏(火)の味とされています。
春野菜の苦味成分は、夏に向けての身体作りを助ける役割があるため積極的に取り入れるようにしましょう!
春野菜の例:春キャベツ、フキノトウ、菜の花など
春は、「肝」を労わる季節
なんとなく過ごしやすい印象の春ですが、身体にとっては大きな転換期。
想像以上にストレスがかかっています。
ボディケアから「肝」を癒してあげましょう!
首・肩・肩甲骨まわりをほぐす
「肝」は筋の活動にも関わっています。
筋肉をゆるめたり動かしたりすることは(肝)の緊張を解き、のびのびとリラックスした状態をもたらします。
肩周辺の筋肉の緊張をほぐすことで内にこもったエネルギーを発散させ、ストレスを取り除く作用があります。
筋肉の状態が良くないまま動くと、身体に支障をきたすこともあるため生活の質をキープできるように心がけましょう。
四十肩・五十肩に注意!!
冬の間あまり体を動かさずに春を迎え、肝が疲れて血の巡りが滞ると、四十肩・五十肩の発症につながる可能性が高くなります。
肩まわりの筋肉は落ちやすく、予備運動もないまま腕を急に上げたり投球動作などをしたりすると痛めて今う事が良くあります。
「腕が上がりにくく感じる」というような自覚症状がある方は、
日常の首肩まわりのセルフケアや肩甲骨まわりの運動で改善できる可能性もあるのでぜひ取り組んでみましょう。
春は「動」への切替スイッチをオン!
暖かくなってきたからと言っていきなりハードな運動はお勧めできません。冬から春へ、少しずつ体を慣らしていきましょう。
冬の間の寒くてしばらく運動から遠ざかっていた人やこの春から新しいことを始めてみたいと言う人は、ウォーキングが最適です。
健康効果を高めるウォーキング
①正しい姿勢で合計30分以上歩く
正しい姿勢を身につけて、20~30分以上歩くようにしましょう。週に2~3回程度続けるとしっかり運動効果が現れてきます。
②体の関節可動域を大きく使う
正しい姿勢=運動効果がる姿勢です。体の関節可動域を大きく使い、筋肉に刺激を与えるような正しい姿勢で歩く事で、運動効果は大きく変わります。
③継続してウォーキングする
楽しくなければ継続することは難しくなります。
楽しくウォーキングを続けるためには、友人やウォーキング仲間を見つけて一緒に歩いたりイベントに参加したりレジャー感覚で行う事がいいでしょう。
また、音楽を聴きながら、風景を楽しみながら気軽にウォーキングすることで続けやすくなります。
最後に
春は、気温の変動、新生活などの環境の変化のなどで身体の不調が現れやすい季節。
だからこそ日々のケアが大切。
そして、東洋医学の視点から身体の不調みると人間の身体は自然と深く関わっていることが分かると思います。
もしも、季節の変わり目などで身体の不調があるときは当院へお気軽にご相談下さい。
たかよし鍼灸整骨院
TEL:072-842-2090